【洗浄とは?基礎編②】洗浄剤の種類〜水系、非水系、準水系

概要

前回は洗浄工程には「洗浄」がとても重要な役割をになっていることを紹介しました。そこで今回からその「洗浄」に用いる洗浄剤について紹介させていただきます。洗浄剤にはどのような種類があり、どのような特徴があるかを紹介していきます。

目次

1.水系洗浄剤
2.非水系洗浄剤
3.準水系洗浄剤

 

 

1.水系洗浄剤

水系洗浄剤とは、「水」を溶媒として界面活性剤を含み、酸性もしくはアルカリ性を示す洗浄剤のことです。酸性を示すものは「酸性洗浄剤」アルカリ性を示すものは「アルカリ洗浄剤」といいます。中にはpHが7付近である「中性洗浄剤」と呼ばれるものもあります。


「酸性洗浄剤」はpHが6以下の液性であるため、金属表面の錆などを洗浄することを得意とした洗浄剤です。使用用途は基盤の錆除去やめっきの前洗浄などに用いられます。注意点は使用する酸と洗浄する金属ワークの表面を腐食するリスクがあるため、適切な洗浄剤を選ぶ必要があります。


「アルカリ洗浄剤」はpHが8以上の液性を示す洗浄剤です。得意な汚れは皮脂や加工油などを油脂成分です。アルカリが油脂成分と反応し、油脂成分を水溶性の化合物へ変化させ、洗浄液中に溶解します。この反応は「ケン化反応」といい、この原理を用いて洗浄を行います。注意点は洗浄する金属によってはアルカリと反応し腐食をするため、酸性洗浄剤と同様に適切な洗浄剤を選ぶ必要があります。

2.非水系洗浄剤

主成分を有機溶剤で構成されている洗浄剤を、非水系洗浄剤または溶剤系洗浄剤といいます。水を含まず酸やアルカリなどの液性をもたないため、金属を腐食しないというメリットを持ちます。また油脂と優れた溶解性を持つことも特徴です。
 

しかし注意点として引火性をもつ非水系洗浄剤があります。それはアルコール系洗浄剤と炭化水素系洗浄剤です。どちらも毒性が低く油分溶解性が高く優れた洗浄剤ですが、引火性を持つため取り扱いが必要です。

また毒性をもつ洗浄剤があります。それはハロゲン系である塩素系&臭素洗浄剤です。油分溶解性が高く、蒸留再生が可能なため重宝されてきた洗浄剤でしたが、毒性や発癌性があることから使用を控える動きが活発です。ただ同じハロゲン系でもフッ素系洗浄剤は毒性が低く環境にも優しい洗浄剤です。

3.準水系洗浄剤

準水系洗浄剤は、水系洗浄剤と非水系洗浄剤の中間に位置する洗浄剤です。比較的高度な洗浄性が要求される分野で使用されており、電子部品のはんだ付後のフラックス除去などに使用されています。
準水系洗洗浄剤は、グリコールエーテルやアルコールなどの分子内にエーテル基や水酸基を持ち、極性があることから水溶性を持っています。このため油分汚れだけでなく、水溶性汚れにも溶解力が高いのが特徴です。


ただし注意点としては、水を使用するため金属表面の錆のリスクがあります。また排水コストが高いこと、メンテナンスの難易度の高さがあります。

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