【洗浄とは?基礎編④】金属加工油汚れに最適、炭化水素系洗浄剤

概要

 前回は産業用洗浄剤の中から「水系洗浄剤」「非水系洗浄剤」「準水系洗浄剤」から「水系洗浄剤」について紹介しました。今回は「非水系洗浄剤」の「炭化水素系洗浄剤」について紹介していきます。「炭化水素系洗浄剤」は金属加工油の脱脂によく用いられるため、重要な洗浄剤の一つです。どのような洗浄物に対して使用し、どのような注意点があるのか紹介いたします。

目次

 

炭化水素洗浄剤とは

 炭化水素洗浄剤とは主に金属の切削やプレスなどの加工の際に用いる加工油の脱脂に用いられる洗浄剤です。主成分は石油からなる石化溶剤です。作製方法は石油を高度に精製処理したもの、もしくは化学的に合成することで作製されます。炭化水素の分子構造は様々で、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系に分類されます。これらは使用するシーンによって使い分けることができます。

炭化水素洗浄剤の特徴 

・メリット

  • 油汚れに強い
  • 浸透性が高い
  • 水より乾燥速い
  • 蒸留再生可
  • 金属を腐食しない
  • オゾン破壊係数ゼロ
  • 毒性が低い
  • 法規制が低い
  • 単価が低い

デメリット

  • 引火性がある
  • 消防法下で管理が必要

 炭化水素洗浄剤のメリットは、金属腐食をすることなく脱脂ができること、蒸留再生によりリサイクルが可能であり、比較的安価であることなどが挙げられます。また多くの炭化水素洗浄剤は有機溶剤中毒予防に該当せず毒性が低いこともメリットです。

 炭化水素洗浄剤の大きなデメリットは、引火性があることです。このため洗浄設備に引火対策が必要であり、また消防法に基づいた貯蔵が必要です。

 炭化水素洗浄剤が燃焼するには以下の3つの条件が揃うことで生じます。これらの3つは「燃焼の三要素」と呼ばれています。この3つの中から1つでも欠くことができれば、燃焼を防ぐことができます。

  1. 可燃物(炭化水素溶剤およびその蒸気)
  2. 点火剤(火花の発生などの着火源があること)
  3. 酸素供給体(十分な酸素があること)

炭化水素洗浄剤の種類

パラフィン系

  分子式:直鎖

   図:分子構造例

  image of molecular structure  

 

  特徴:低粘度であり、精密部品の洗浄に向いている

  具体例:精密部品に対する金属加工の加工油の脱脂

 

ナフテン系

  分子式:環状

   図:ナフテン系分子構造例

image of molecular structure

    特徴:一般的な汚れ

  具体例:金属加工の加工油の脱脂 熱処理向けの洗浄機で多く使用される。  

 

ハイブリッド型

 炭化水素洗浄剤にアルコールやグリコールエーテル溶剤を混合したハイブリッド型と洗浄剤などもあります。半導体加工時などに使用するはんだに含まれるフラックスなどの汚れは、アルコールやグリコールエーテル溶剤を用いることが適しています。このため洗浄物に金属加工油に他にフラックス汚れがある場合などはハイブリッド型炭化水素溶剤を使用すると有効です。

 

特徴の事項はメリット、デメリットに分けて記載したほうがわかりやすいと思います。

例:メリット:油汚れに強い

  デメリット:引火物

        消防法下の管理必須 など

これも同様です。主には熱処理向け洗浄機で多く使用されます。



まとめ

 以上のように炭化水素洗浄剤には石油由来の石化溶剤が含まれており、金属加工油を洗浄することに適しています。ただ使用上の注意として引火性があるため設備や保管に対策が必要です。

 また炭化水素溶剤にはパラフィン系、ナフテン系、ハイブリット型など

の種類があり、洗浄物の汚れにより最適な溶剤を選定する必要があります。

 どういった汚れには、どのような炭化水素洗浄液で、どのように洗浄するのか、適切なプロセス設計が重要になります。JFE商事エレクトロニクスではESSO社アクトレルシリーズやJ CLEANなどの炭化水素洗浄液を取り扱っており、お客様の現場にあった洗浄剤を、現場の洗浄工程に造詣のある専門スタッフがご要望に合わせてご提案させていただきます。

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